朝ごはん・パセリ・遺伝子ドーピング(ニュー トリション自由自在 第28回)
朝ごはんとバセリ
朝ごはんについては、巷には不要論を唱える人もいるが、筆者はスポーツを楽しむ上では必要であると考えている。しかし、栄養面で日本スポーツ界をリードしている柔道においても、12年前までの日本代表の合宿は2食制であったので、朝ごはんが重要という考えが定着したのは本当に最近のことである。
好き嫌いに関しては、昨年、柔道の指導者である古賀稔彦氏に伺った話をした。小学校で柔道を始めた頃、古賀さんは柔道の先生とサンドイッチを食べていて、付け合わせのパセリを残した。すると先生が「なぜパセリを食わんのか」と言うので「味がにがいので苦手です」と答えたそうだ。
すると先生は、「お前は柔道で苦手な相手とは試合せんのか」と問い詰め、「苦手を作るな、それは柔道も食べ物も同じだ」と諭されたそうである。
古賀さんは「納得してパセリを口に放り込み、それ以来何でも食べるようになり、好き嫌いはありません」ということだった。トップ選手ならではの、いい話である。