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インストラクターのための栄養学(第5回)

インストラクターのための栄養学近年、スポーツ選手のコンディショニングや最大パフォーマンスの発揮に及ぼす食事や栄養の重要性が認知されるとともに、スポーツサプリメントも普及してきました。サプリメントとはその名の通り「補助」するものであり、本来の意味は、食事だけでは不足する栄養素を補う栄養補完の目的で摂取するものです。

■サプリメントとは何か

例えば、遠征に行って旅館に泊まったけれど、そこの食事では乳製品が不足して、フィットネスのためのカルシウムが充分に補給できないような場合、皆さんは近くのコンビニエンスストアやスーパーマーケットで間食(補食)としてヨーグルトを購入するかもしれないし、持って行ったカルシウムのタブレットで補給するかもしれません。これらはどちらも、目的としてはカルシウムのサプリメンテーションであると言えます。つまり行為としてはどちらもカルシウムを補給したわけですが、ヨーグルトは普通の食品なので、特に後者をサプリメントで補給したと言うわけです。厳密にはヨーグルトにもいろいろあって、低脂肪だの、低糖だの、カルシウム強化だの、乳酸菌やビフィズス菌の特別な種類を配合しただのと、普通っぽくないものもありますが、ともかく普通の食品とはいえないもので、栄養素を補給するものをサプリメントと呼びます。

ところが一方で、「栄養素Jではないサプリメントもあります。
スポーツでは、その多くは競技力向上を目的として販売されており、欧米ではエルゴジェニック(ergogenics)と呼ばれ、その語源は「仕事量を産み出すもの」です。アミノ酸とかクレアチン、エネルギー補給のゼリー食品等がここに含まれます。また、スポーツをしていない一般人用の目的別の商品も市場には数多くあり、抗肥満(脱メタボ、ダイエット)、アンチエイジング(脱ロコモ、美容)、さらにはいわゆるトクホ(特定保健用食品)に認可されているような整腸作用とか、血糖値、血圧、コレステロール、中性脂肪等を正常に保つような目的で摂取する食品があるのです。

出典:HELTH NETWORK 第28巻5号

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